木箱に飽和した無尽蔵な感情は、
一つ一つ生々しい温かみと手触りで、
止むことのない痛みを伴って、
擦り減らしながら鳴動を続ける。
いつか価値あるものを理解した時、
ついぞ君らがそこに見つけた居場所は、
この世界を貫く時間の中で唯一、
ただ君らのためだけの誂えのようだ。
それでいて温度も色もないその場所は、
遠い過去に置き忘れた時間のように、
失われていく響きに渦巻かれ、
君らを君らたらしめる。
いつか訪れる終わりを目掛けて、
確かな目的も正解も知らないままに、
ただ物理法則に阻まれた歌のように。